私(山田)の同僚の斉藤とその後輩だった彩花さんが去年、結婚した。
今年、私は31歳。斉藤は34歳彩花さんは32歳になる。
何より残念なのは、彩花さんと斉藤が結婚してしまったことだ。
彩花さんはとても大人っぽくて綺麗な人で、密かに狙っていたのだ。
しかし、結婚相手はそれぞれが決めること。私が一人で想っていても相手にその気がなければ関係は成立しない。
そんなことは十分に承知しているから、同僚として二人の結婚を心から祝福した。
結婚を機に彩花さんは退職したが半年ほど経った頃から家に招待されたり、三人で飲みに行く機会が増えていった。
元々、結婚前から三人で飲みに行くことが多く、仲が良かったのだ。
それでも家に招かれたり飲みに行くといってもせいぜい月に一度程度。
しかし私にとってその月に一度のペースで彩花さんに会えることが何よりの楽しみで仕方なかった。
なぜなら、会社の制服姿とは違い私服姿の彩花さんはまた格別に美しかったからだ。
近頃の若いお母さんたちの間ではホットパンツやショートパンツミニスカートといった脚を露出するファッションが流行っているようだが、彩花さんもその一人だった。
初めて家に招待された日、彼女はジーンズの短パンを履いていた。会社ではいつも膝丈までのスカートの制服だったから彩花さんの太ももを初めて目の当たりにし強く動悸がしたのを覚えている。
その日は、隙さえあれば彼女の太ももを盗み見ていた。
初めて見るそれはとても白く滑らかで眩しいばかりに美しく、ただひたすらに見つめ続けた。
翌月に招かれた時は、白いホットパンツ姿だった。その姿を目に焼き付けた後家に帰ってからその太ももを思い出して自慰をした。
あの太ももに思う存分触れたい……そんな想いが、心の奥底で芽生えた瞬間だった。
この時から私は彩花さんを性の対象として見るようになってしまったのだ。
「他人のものは良く見える」とはよく言ったもので、元々美しかった彩花さんが決して手の届かない場所へ行ってしまったことでかえって自分のものにしたいという想いが強くなっていった。
さらにその翌月は、三人で居酒屋へ行くことになった。
毎月のように誘ってもらい、友人として大切にされているのだと感謝すらしていた。
ところが私はそんな気持ちとは裏腹に、彩花さんをただ欲望の対象として見つめていた。
その日はジーンズ姿で太ももこそ露わになっていなかったものの布地の上からでも分かる張りのある美しいお尻のラインを目で追い続けた。
あのお尻を鷲掴みにしたい……そんな想いを抱えながら。
いけないことだと理性では分かっていても、もはや自分では抑えきれなくなっていた。
そして数ヶ月が過ぎ募る想いが抑えきれなくなり、ついに事件は起きてしまった。
その日も外で食事をしようと三人で居酒屋に行った。彩花さんはジーンズのミニスカート姿で、あの綺麗な太ももが惜しげもなく晒されている。
いつものようにその太ももに目を奪われ彼女を自分のものにしたいという欲求は、抑えがたく高まっていった。
その日はあわよくば彼女の下着が見えないかとそればかりを期待していた。
彩花さんが席を立ちトイレへ向かう時は後ろ姿の太ももとお尻の動きを目で追い、スカートの下を覗き見たいなどと浅ましいことばかり考えてしまう。
斉藤がトイレに立った隙にはテーブルの下からこっそりと携帯電話のカメラを向け彩花さんの脚を盗み撮った。自分がトイレに行った時にその写真を確認すると薄暗いながらも彼女の脚が写っていた。期待した下着は写っていなかったけれど。
三人とも結構な量を飲み満腹になったところで二十一時頃に居酒屋を出た。
いつもならここで解散だがその日は飲み始めが早くまだ二十一時ということもあり斉藤の家で飲み直すことになった。
途中のコンビニで酒やつまみを買い込み、斉藤の家へと向かう。
家では、お笑いのDVDを観ながら再び飲み始めた。楽しい時間はあっという間に過ぎ二十三時頃彩花さんの目が虚ろになってきた。
「先に寝よっかな」
そう言って立ち上がり、寝室の方へ歩き出す。
「山田さんゆっくりしていってね。おやすみ」
満面の笑みで手を振るその笑顔が、恐ろしいほどに可愛い。
部屋へと歩いていく後ろ姿でも私の目は彼女の太ももを追いかけていた。歩くたびに微かに揺れるあの綺麗な太もも。それをいつでも触れる斉藤が、心底羨ましかった。
そろそろ私も帰らねばならないが斉藤はハイテンションでまだまだ帰れそうな雰囲気ではない。
そして零時頃斉藤は気分良さそうに横になり片手で頭を支えながら話し込んでいたかと思うとそのまま眠ってしまった。
さすがに帰らなければと思った。だが私がここを出るとなると玄関の鍵を閉められずに開いたままになってしまう。それはそれで良くない。
この家の中には、私と斉藤、そして彩花さんの三人。起きているのは私だけだ。
そう自覚した瞬間眠っている彩花さんの姿が見たいこの機会を逃す手はないと思ってしまった。
もう一度、斉藤の様子を窺うが深く寝入っている。
私はどうにもならない衝動に駆られ彩花さんの寝室へと足を向けていた。
もし彩花さんが起きていたら、全てが終わる。
ドアに耳を当て中の様子を窺うが何も聞こえない。酒のせいもあってきっと熟睡しているのだろうと思い込みゆっくりとドアを開けた。
部屋の中は豆電球の淡い光に照らされ彩花さんが仰向けで眠っていた。その光のおかげで彼女の姿がはっきりと見える。
眠っていることを確信すると私は静かに部屋へ忍び込み、音を立てずにドアを閉めた。
心臓の鼓動が激しくなりその音が部屋中に響き渡ってしまうのではないかと錯覚するほどだった。
この密室に、眠っている彩花さんと私。二人だけ。
自分の陰茎が硬く勃起していくのが分かった。
彩花さんの足元に座り掛け布団の下半身部分を、そっと捲り上げる。
そこには、想像していた通りの光景があった。
どうやらパジャマには着替えていなかったらしくジーンズのミニスカート姿のまま眠っている。
そして、足元に座る私の目の前には純白の下着が丸見えだった。
初めて見る、彩花さんの下着。
どうして女性の下着を見るだけでこれほどまでに興奮してしまうのかは分からない。ただその純白の布地は私を更なる欲望の渦へと引きずり込んでいった。
この一枚の布の向こう側には、彩花さんの……想像するだけで頭がどうにかなりそうだった。
私は一度、彩花さんの顔を確認した。完全に熟睡していて起きる気配は微塵もない。
酒の勢いも手伝ってか私は信じられないほど大胆な行動に出た。
普通なら、下着の上からそっと秘部をなぞったりするのかもしれない。しかし私は両手をスカートの中へ差し入れ彼女の下着のゴムをつかむと一気に引き下げた。
ゆっくり脱がせても勢いよく脱がせてもどうせ起きはしないだろうという思い込みとやはり最後は酒の力で箍が外れていたのだと思う。
すぐさま、整えられた陰毛が私の目に飛び込んできた。
腰の辺りで少し引っかかったが構わず引き下ろすと下着は太もも、膝、足首へと滑らかに下りていきついに私はそれを彼女の体から完全に抜き取った。
私自身の下着の中では今にも張り裂けんばかりに陰茎が勃起し、心臓は破裂しそうなほど激しく脈打っていた。
露わになった、彩花さんの陰毛から太もも足首までの美しい下半身。
私はまず彼女の右足首を掴んで少し持ち上げ左側へと動かした。続いて左足首も同様に右側へ動かす。
彼女の両脚はY字に開かれ陰毛の下その中心にくっきりと縦の筋を肉眼で確認することができた。
ついに、彩花さんの秘裂をこの目で見たのだ。
斉藤には申し訳ないと思いながらも、もはや自分を止めることなどできなかった。
私は自分のズボンと下着を膝まで下ろしその光景を凝視しながら、自らの陰茎を扱き始めた。これ以上の自慰の対象はこの世に存在しないだろう。
あまりの興奮にすぐに達しそうになったがもっとこの光景を網膜に焼き付けたいという欲求に駆られ一度手を止めた。
人の欲望とは、どこまでも際限がないものだ。本来ならばその秘裂を目にできただけでも過ぎた幸せのはずなのに一つの欲望が満たされると、すぐさま次の欲望が頭をもたげる。
私は彩花さんの股間へと顔を近づけ、両手の親指を彼女の秘裂に添えた。そしてぐいっと左右に押し開いた。
女性が、心を許した相手にしか決して見せない最も秘めやかな場所。
私の目の前、わずか十センチほどの距離に彩花さんの性器が晒されている。そして私の指がそれに触れている。
興奮は既に最高潮に達しており片手を離し自分の陰茎を再び扱き始めた。
こんな感覚は生まれて初めてだった。ものの十秒も経たずに、再び射精感が込み上げてくる。
今にして思えばここで自慰だけで我慢しておけばよかったのだとそう思う。
しかし、この後に取った行動に後悔は微塵もない。
私はもう一度自慰の手を止め再び両手の親指で秘裂を押し開いた。そしてさらに顔を近づけ舌を差し出し彼女の秘裂の、その下部から上部へと溝をなぞるようにすくい上げるように舐め上げた。
さすがは女性の最も敏感な部分。舐めた瞬間彩花さんの体が「ぴくん」と小さく反応した。
私は動きを止め息を潛めて様子を窺ったが、起きる気配はない。
再び、私は彼女の性器を舐め始めた。ゆっくりと壊れ物を扱うかのように優しく。
時折、体が「ぴくん」と小さく跳ねるが、構わずに舌を這わせ続ける。
同僚である斉藤の妻の性器を、今、自分は舐めている――。
とても常識では考えられない、狂った行為だ。
性器特有の少し潮の香りが混じったような匂いが私の嗅覚を刺激し更なる興奮へと駆り立てる。
その匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、舐め続けた。
優しく、執拗に舌を動かし続けていると彩花さんの秘裂に変化が起きた。
指で押し開かなくともそれが閉じることはなく、ぱっくりと開いたままになっているのだ。
眠っていても感じているのだろうか。
それとも、意識はなくとも身体は正直に反応するのだろうか。
それとも……もしかすると実は起きているのだろうか……。
どれが正解かは分からなかったが、私は今度は敏感な突起であるクリトリスを中心に舌先で丁寧に愛撫し始めた。
彩花さんの性器は濡れていた。それが私の唾液なのかそれとも彼女の愛液なのかは、見当もつかなかった。
そして、私の理性もいよいよ限界に達し彼女の性器を舐めながら再び自分の陰茎を激しく扱き始めた。これ以上に贅沢な自慰のための「おかず」はない。
扱き始めて十秒と経たずに強烈な射精感が訪れ、私はその準備に入った。
手の動きを速め、もう出る――!
まさに射精するその瞬間。私は、動かしていた手を止めてしまった。
射精を必死に堪え上体を起こすとY字に開かれた彩花さんの両脚を抱え込むようにしてM字に曲げさせ自分の陰茎を握り彼女の濡れた性器にその先端を当てがった。
この時の私は完全に正気ではなかった。
異常な性欲が理性や良心人生そのものさえも焼き尽くし全てを捨てても構わないとさえ思っていた。
荒い呼吸を繰り返しながら私は自分の陰茎と、それに触れる彼女の性器とを見下ろした。
様々な思いが、頭の中を駆け巡る。
もし斉藤が起きてきたら。
もし、彩花さんが目を覚ましたら。
こんなことが露見すれば、警察沙汰になるのは間違いない。
そんな考えが去来する中でそれでも私の目は、自分自身の愚かしい行動を映し出していた。
腰が、ゆっくりと前に押し出されていく。私の陰茎が、彩花さんの秘裂にずぶずぶと埋もれていく光景を。
私の唾液か、彼女の愛液かどちらのものかは分からないが濡れてはいるものの完全ではなかった。それでも挿入するには十分すぎる滑りだった。
陰茎が半ばまで彼女の体内に埋まった瞬間とてつもない快感と、彩花さんの最も深い場所に自分が入ったのだという途方もない達成感が同時に私を襲った。
その時、彩花さんの口から「うっ……!」という短い声が漏れた。
彼女の顔を見ると、痛みを堪えるように眉をひそめている。
普通の神経ならここで動きを止め様子を見るはずだ。しかし正常な判断力を完全に失っていた私は、これしきのことで彼女が起きるはずがないと根拠のない確信を持ちそこから一気に腰を深くまで押し込んだ。
その瞬間
「んんーーーーっ!!」
という先ほどよりも明らかに大きな声と苦悶の表情。そして次の瞬間――彩花さんの両目がはっきりと見開かれたのだ。
しまった!と思い反射的に左手で彼女の口を思い切り塞いだ。
彩花さんは目を大きく見開き、何が起きているのか全く理解できていない様子だった。
当然だ。眠っていたはずが目覚めれば目の前にいるのは夫ではなく夫の同僚である私。口は手で塞がれそして、何より自分の体内には斉藤のものではない私の陰茎が挿入されているのだ。
このまま叫ばれたら、全てが終わる。
挿入する前はどうなっても構わないとさえ思っていたのにいざその窮地に立たされると保身に走る浅ましい考えが頭を占める。
彩花さんは声にならない声を上げ、必死にもがこうとする。
私は左手により一層力を込め彼女の口を塞いだまま、その耳元に顔を寄せて早口で囁いた。
「お願いだ、声を出さずに聞いてくれ!頼むから静かに……!」
彩花さんはとりあえず抵抗を止めた。
それでも私は手を離さず、続けて耳元に言葉を叩きつける。
「ごめん……俺、彩花さんのことが好きで……もう、どうしようもなかったんだ……」
そして、一方的に、しかし必死の形相で言葉を継いだ。
「これが終わったらすぐに帰るから。だから頼む……静かにしていてくれ」
最後に、最も効果的だと思われる言葉を低く諭すように言い放った。
「斉藤には、知られたくないだろ? お願いだ静かにしていてくれ。な?」
彩花さんは、状況を完全に飲み込んだようだった。彼女の体から抵抗する力が抜けていく。
たとえ今、この行為をやめたとしても私の陰茎が彼女の中に入ったという事実は決して消えはしないのだ。
彩花さんは目に大粒の涙を浮かべただただ遠くを見つめて私と視線を合わせようとはしなかった。
彼女はもう抵抗しないだろうと思いながらも、念のため口は手で塞いだまま私は腰を前後に動かし始めた。
一回……二回……三回……と、一定のリズムで陰茎を出し入れするたびに彩花さんの狭く熱い膣壁の粘膜が私自身と擦れ合い形容しがたい快感が全身を貫く。
更にもう一回二回……と動かすとこの異常なまでの興奮と挿入前からずっと高まっていた射精感がすぐさま限界まで込み上げてきた。
通常なら、この快感を少しでも長く引き延ばすために動きを止める場面だがこの異常事態といつ斉藤が起きてくるか分からないという恐怖から腰の動きを止めることはできなかった。
特に動きを速めたわけでもなかったが一定のリズムで繰り返される抽送は、私を射精へと追い込むにはこれ以上ないほどに十分だった。
すぐに……ドクン……ドクン……ドクン……と彩花さんの膣の奥で大量の精液が脈打つように吐き出された。
私は射精が完全に終わるまで腰の動きを止めず、最後の一滴まで彼女の胎内に注ぎ込んだ。
そして、全てを出し終えると陰茎を挿入したままの状態で荒い息を整えようと彩花さんに覆いかぶさった。
見ると彩花さんは止めどなく涙を流していた。
私は、ゆっくりと、彼女の口を塞いでいた手を離し
「本当に、ごめん……」
と、ただそれだけを絞り出すように謝った。
彩花さんは涙を流し続けながら静かにしかし強い拒絶を込めて言った。
「……もう、二度と、来ないで」
当然の言葉だと思う。
私は上体を起こし、ベッドを汚してはいけないとティッシュを何枚か手に取った。そして陰茎を抜くと同時に溢れ出る精液を抑えようと、ティッシュを彼女の性器に当てた。
私がティッシュでそこを拭いていると、彩花さんは静かに起き上がり
「……あとは私がやるから。もう帰って」
そう言って、私の手からティッシュを取り上げ自らの手で拭き始めた。
その光景を目の当たりにして私は初めて、自分が犯した罪の本当の重さを身に染みて知った。
心の中は罪悪感で張り裂けそうだったがかけるべき言葉を何一つ見つけられず私はその光景を最後に無言で部屋を出た。
リビングには依然として斉藤が眠っている。その寝顔に、心の中で深く深く謝罪した。
せめてもの罪滅ぼしに、私は会社を辞めその日以来斉藤とは二度と会わないようにした。
携帯電話の番号も変え、二人の前から私という存在を完全に消した。
罪の意識と、どうしようもない後悔に苛まれながらもそれでも大好きだった彩花さんと肌を重ねたこと。その事実だけは、私の一生の記憶として消えることはないだろう。



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