その日は友人たちと久しぶりに外食を楽しんだ後、
まだ時間に余裕があったので、いつもの焼酎バーに三人で足を運ぶことにした。
店内に入ると、カウンターの奥に先客が一人。
30代半ばくらいの男が、マスターと気さくに笑い合いながらグラスを傾けている。
友人二人は早速、自分たちが指導している少年野球チームの近況報告で盛り上がり始めた。
熱心に練習メニューや子供たちの成長を語り合う姿は、傍から見ても楽しそうだ。
私はというと、野球にはほとんど縁がなく、話題に入り込む隙も見つからず、ただ静かに焼酎の水割りをちびちびと飲んでいた。
少し浮いた存在感を自分でも感じながら、ぼんやりと店内の照明やボトル棚を眺めていると、突然マスターがこちらに顔を向けてきた。
「なぁ、お前もこいつと一緒に聞いてみないか?こいつ、人妻ハンターなんだよ。今ちょうど、最近ゲットした人妻たちの写真を見せてくれて、各々の評価大会やってたところなんだ」
マスターの言葉に、思わずグラスを持つ手が止まる。
隣の男がにやりと笑ってスマホをこちらに傾けてきた。
男は32歳。髪を明るい茶色に染め、シルバーのアクセサリーをさりげなく光らせた、いかにも遊び慣れた雰囲気の長身の男だった。
シャツの襟を少し開け、細身の黒パンツにブーツという、街中で見かけたら一瞬で「ホスト系かな」と勘ぐってしまうような格好。
でも、その目つきは妙に鋭く、獲物を品定めするような光を宿している。
「俺、出会い系とかアプリは一切使わないんですよ。本当に街角で声をかけて、人妻さんを落とすんです。清楚で真面目そうな人ほど、心を開かせてベッドに連れ込んだときの優越感が、もうたまらないんですよね」
そう言って、男はスマホの画面をスワイプしていく。
そこには、顔を自分の手で隠した全裸の女性たちの写真が、次々と現れた。
ある者はシーツにくるまりながら恥ずかしそうに横たわり、ある者は四つん這いで背中を反らせている。
どれも、普段は地味な主婦服を着ていそうな、清楚な雰囲気の女性ばかりだった。
「こんな人がまさか!って感じの人妻さんを見つけると、どうしても堕としたくなっちゃうんですよ。だから毎日のように、こうやって楽しんでます」
男は自慢げに笑いながら、ハメ撮りの短い動画も見せてくれた。
喘ぎ声が漏れ聞こえてくるたび、店内の空気が一瞬だけ重くなる。
私は最初はただの好奇心で聞いていたはずなのに、だんだんと胸の奥がざわつき始めた。
焼酎のアルコールが体に回っているせいか、それとも男の話があまりに生々しいせいか。
どちらにせよ、股間の奥がじんわりと熱を帯びていくのが自分でもわかった。
そんな中、男がふと口にした一言が、私の心を強く揺さぶった。
「俺、プレイの最中に必ず相手に言わせるんですよ。『旦那と俺、どっちがいい?』って。そしたら、絶対に『あなたがいい』って答えるんです。その瞬間、もうたまらない興奮が走るんですよね」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが弾けた。
頭の中で、あり得ない想像が一気に広がっていく。
そして、ほとんど衝動的に、私は自分のスマホを取り出していた。
「この女……堕とせますか?」
画面に映したのは、近所のバス停で何度か見かけた女性の写真だった。
私がこっそり撮っておいた、横顔と少し前かがみになったときの胸元のシルエットがはっきりわかる一枚。
清楚なワンピースを着ていても、隠しきれない豊満なバストと、くびれたウエストのライン。
男は一瞬で目を輝かせた。
「これは……いい女ですね。30歳ちょっとくらい? 真面目そうな顔してるのに、女のフェロモン出しまくりじゃないですか。これは絶対やりたい。どこのバス停ですか?」
私は詳細を説明し、写真をメールで送った。
そして、男に「結果を報告してください」とだけ伝えた。
その女こそ、私の妻だった。
妻は32歳。身長165cm、B95・W60・H84という、男が言う通り「男を誘う体型」を持っている。
でも、彼女は決してそれをひけらかすような女ではない。
実家は古くから続く名家で、幼い頃から厳しく躾けられて育った。
男性経験は私だけ。結婚後も、胸の大きさが目立たないようなゆったりした服を選び、
二人の子供を保育園に送ったあと、週3回だけ近所のスーパーでパートをする、
本当に真面目で控えめな主婦だ。
子供の教育にも熱心で、料理も掃除も完璧。
近所の人たちからも「理想の奥さん」と評判の、隙のない女性。
そんな妻が、あの遊び人風の男に落とされるなんて、想像すらしたくなかった。
いや、したくなかったはずなのに……。
心のどこかで、薄暗い期待が芽生えていたのも事実だった。
男は目を細めて笑いながら、こう続けた。
「こういうタイプはね、意外とすぐ堕ちるんですよ。最初は抵抗するけど、一度火がつくと止まらなくなる。俺、絶対に即尺させて、喉の奥まで咥えさせるんです。そしたらもう、理性なんて吹っ飛ぶから」
そんな下品な言葉を浴びせられながら、私は異常な興奮を覚えていた。
妻を汚すような言葉なのに、それが逆にたまらない。
でも、現実には何も起こらないだろう。
妻に限って、あんな男に引っかかるはずがない。
そう自分に言い聞かせながら、私は平静を装って店を出た。
「まぁ、せいぜい頑張ってください。結果、楽しみにしてますから」
家に帰ると、妻がいつもの笑顔で迎えてくれた。
「今日は遅かったね。お疲れ様。ご飯、もうすぐできるから待っててね」
変わらない優しい声、変わらない穏やかな表情。
妻に限って、まさかあの男になど……。
そう思いながら、その夜は深い眠りについた。
それから3週間が過ぎたある月曜日。
会社で昼食を終え、仮眠室でぼんやりしていると、男からメールが届いた。
件名:やりましたよ、例の人妻ゲット!
心臓が一気に跳ね上がる。
本文には、妻の後ろ姿の写真が添付されていた。
教えてもらったバス停のベンチに座る、間違いなく妻の姿。
服装も髪型も、全部一致している。
「このまま追跡します。結果を楽しみにしてください」
私は震える指でスマホを握りしめた。
これはもう、仕事どころではない。
部下に「体調が悪い」とだけ告げ、車に飛び乗った。
その間、頭の中では「妻の無事を祈る自分」と「最悪の結果を想像して興奮する自分」が、激しくせめぎ合っていた。
息が苦しくなり、吐き気さえ覚えるほどの感情の波。
体は小刻みに震え、下半身は痛いほどに熱く脈打っていた。
最初のメールから1時間以上経過した。
「やはり失敗したんだな。妻に限って……」
そう思い、男に「中止してくれ。あの女は俺の妻だ」と送ろうとしたその瞬間、新着メールが届いた。
「今から5分後に電話します。通話状態のまま、絶対に喋らず聞いてください」
意味がわからないまま、5分が過ぎた。
スマホが振動し、着信画面に男の番号が表示される。
震える指で通話ボタンを押した瞬間――
「んっ……はぁっ……はぁぁっ……あんっ、あんっ……あぁぁ~~~っ……いやっ……」
妻の声だった。
甘く、切なく、普段絶対に聞けないような、淫らな喘ぎ声。
一瞬で全身の血が沸騰した。
「あんっ……あっ……いいっ……すごいっ……すごいのぉ~~……ああぁ~~……こんなの……こんなのって……」
ベッドのきしむ音。
肉がぶつかり合う、激しいパンパンというリズム。
男の荒々しい息遣いと、容赦ない腰使いが、スピーカー越しに伝わってくる。
「どうだい奥さん。旦那と俺、どっちがいい?この濡れ具合、もう結果出てるよな? さあ、言えよ!」
男の命令口調に、妻は迷いなく答えた。
「いい~~……こっちがいい……あなたがいいの~~……もっと……もっと突いて……ああぁ~~……いいっ……すごいっ……すごいのぉ~~……」
「あんあんあんっ……いいっ……いいわぁ~~……いっ……いっくぅぅぅ~~~~!!」
妻が絶頂に達した瞬間、私も我慢できずに射精してしまった。
手を動かしてもいないのに、パンツの中が熱い液体でびしょ濡れになる。
大量に、大量に。
電話はツーツーツー……と切れた。
放心状態のまま、どれくらい時間が経っただろう。
再びメールが届く。
「どうでした? 途中で切れちゃったみたいですけど、心配しないでください。
ちゃんとハメ撮りは全部ビデオに収めてますから。
今度は俺の友達も紹介するって言ったら、すんなりOKしてくれましたよ。
次回も楽しみにしてください。
それにしても、上玉の奥さんでした。体も感度も最高でした」
添付された写真には、目隠しをされた妻が、男のものを咥えている姿が写っていた。
美味しそうに、夢中で。
時計はすでに18時を回っていた。
私はいつものように自宅に電話をかけた。
「もしもし……ああ、あなた。今日はまっすぐ帰ってくるの?じゃあ、ご飯の支度して待ってるね」
何事もなかったかのような、普通の妻の声。
電話を切った直後、今度は男から着信。
「DVDを渡すから、いつもの場所で待ってる」
私は指定された場所に向かい、DVDを受け取った。
車に戻りながら、これから自宅で再生されるであろう妻の痴態を想像するだけで、再び股間が疼き始めた。



コメント