彼女と別れてからちょうど一週間が経った。
別れ話の最中も、最後の夜も、結局のところ大きな喧嘩にはならなかった。
ただ、お互いに疲れ果てて「もういいよ」という空気が漂い、そのまま自然消滅に近い形で終わった。
それなのに、彼女の荷物だけが俺の部屋に置き去りになっていた。
最初は「そのうち取りに来るだろ」と放置していた。
でも一週間経っても連絡一つなく、気配すらない。
LINEは既読すらつかず、電話も出ない。
仕方なく、俺の方から動くことにした。
会うつもりは本当になかった。
顔を合わせたら何を言ってしまうかわからないし、下手したら情が湧いてしまって、みっともない引き止めをしてしまうかもしれない。
だから、夜遅く、彼女が帰宅する頃を見計らって、アパートのドアノブにでも引っかけておこうと思っていた。
残っていた荷物のほとんどは洋服だった。
Tシャツ、ブラウス、スカート、コート……
そして、当然のように下着類も混ざっていた。
ブラジャー、パンティ、ストッキング。
彼女が俺の部屋でよく履いていた、あの淡い水色のレースのパンティもあった。
見られたくない気持ちが強くて、大きめの不透明なゴミ袋に全部突っ込み、ガムテープでぐるぐる巻きにして完全に密閉した。
これなら中身は絶対に見えない。
バイクで彼女のアパートまではほんの数分。
夜の風が冷たくて、頭が少し冷静になるかと思ったけど、逆に心臓の鼓動がどんどん速くなっていくのがわかった。
近くのコンビニの駐車場にバイクを停め、メットケースからその黒い袋を取り出す。
アパートの前まで歩いて行くと、彼女の部屋の前に見慣れない車が停まっていた。
ライトはついたまま。エンジンも切れていない。
その瞬間、助手席のドアが開いて、彼女がよろよろと降りてきた。
酔っている。
明らかに相当飲んでいる。
足元がおぼつかなくて、鍵穴に鍵を差し込むのもままならない。
フラフラしながら何度も鍵を落としそうになっている。
そして運転席から降りてきたのは、体格のいい、25か26くらいの男だった。
肩幅が広く、Tシャツの上からでも筋肉の厚みがわかる。
俺より明らかにデカい。
(やっぱり……男がいたのか)
胸の奥で何かが爆発したような感覚がした。
怒りなのか、悲しみなのか、それとも別の何か、自分でもよくわからない感情が一気に噴き出して、心臓が耳元でバクバク暴れ始めた。
男は彼女の後ろに回り込み、後ろから抱きかかえるようにして支えながら、彼女の手を誘導して鍵を開けた。
そのまま二人は部屋の中へ消えていった。
俺は知っている。
彼女は酒に弱い。
そして酔うと、ものすごく淫らになる。
付き合い始めた頃のことも、鮮明に思い出していた。
あの頃、彼女にはまだ別の彼氏がいた。
それでも俺と飲みに行き、酔った勢いで俺の部屋に来て、その夜、彼女は俺の女になった。
今、あの部屋の中で、あの男と彼女は、間違いなく同じことをするだろう。
(今から必ず、セックスをする)
そう思うだけで、下半身が熱くなった。
怒りと屈辱と、それとは正反対の興奮が、ぐちゃぐちゃに混ざり合って俺を支配していた。
足音を立てないように、まるで泥棒みたいにそろそろと窓際まで近づいた。
カーテンの隙間はほんの数センチ。
でもその隙間から、玄関の様子がはっきりと見えた。
男が彼女のブーツを脱がせているところだった。
彼女は廊下に仰向けに倒れていて、男が片足を高く持ち上げ、ロングブーツを上へ引っ張っている。
ミニスカートは完全に捲れ上がり、黒いレースのパンティが丸見えになっていた。
ブーツを脱がせ終えると、男はそれを玄関脇の靴箱に放り投げるように置いて、彼女に向かって何か低い声で言った。
そしてそのまま、動かない彼女の上に覆いかぶさり、二人はすぐに濃厚なキスを始めた。
舌を絡ませ合う、ねっとりとした音が、窓越しに微かに聞こえる気がした。
俺の下半身は、痛いくらいに熱くなっていた。
キスが一段落すると、男は彼女を抱き上げ、奥の部屋のベッドまで運んでいった。
カーテンの隙間からは少し遠くなって、全体像はぼんやりとしか見えなくなったけど、それでも俺は夢中で覗き続けた。
男は無駄な手間をかけず、手際よく彼女の服を剥いでいった。
ブラウスを脱がせ、スカートを下ろし、ブラジャーを外し、最後にパンティまで。
あっという間に彼女は全裸になった。
男も立ち上がって、自分の服を脱ぎ始めた。
がっしりとした体。
肩から腕にかけての筋肉のライン。
そして、下半身……
俺より明らかに大きい、勃起したペニスがそこにあった。
彼女はベッドに横たわったまま、ぼんやりと男を見上げていた。
男は彼女の足の間に膝をつき、再び覆いかぶさってディープキスを始めた。
右手は彼女の胸を大きく揉みしだいている。
たった一週間前まで、俺が自由に触れていた体が、今は完全に別の男のものになっている。
俺は震える手でジーンズのボタンを外し、痛いほど硬くなったペニスを取り出した。
強く握っただけで、すぐにイきそうになった。
情けないことに、本当にあと少しで出そうだった。
男は彼女の両足を大きく開かせ、その間に座り込んで、指で彼女の性器をいじくり始めた。
彼女の体はすぐに反応し、腰が小さく跳ねるのが見えた。
俺は気づかれないようにゆっくりしゃがみ込み、足元に置いてあった彼女の荷物のガムテープをそっと剥がした。
中から一番上にあった、彼女がよく履いていた薄い水色のパンティを取り出す。
まだ彼女の匂いが、微かに残っている。
大切な部分にずっと密着していた布。
少し汚れがついていて、それが逆に俺の興奮をあおった。
そのパンティで亀頭を包み込み、しゃがんだまま窓ガラスに耳を押し当てた。
スプリングベッドのギシギシという軋み音。
彼女の甘く掠れた喘ぎ声。
かすかに、だけど確かに聞こえてくる。
もう一度立ち上がり、震えながら覗き込む。
二人はもう獣のようだった。
彼女は両足を大きく広げ、男を必死に受け入れている。
男は彼女に覆いかぶさり、激しく腰を打ちつけていた。
やがて男は彼女の両足を肩に担ぎ上げ、一番深く繋がる体位に持ち替えた。
耳を当てなくても、彼女のスケベな声が漏れ聞こえてくる。
(あんな太いので……ずっと奥まで突かれてるんだ)
俺はもう我慢できなくて、彼女のパンティを握りしめた右手を激しく動かした。
しばらくその体勢で彼女を攻め続けていた男が、突然彼女を強く抱きしめた。
腰の動きが一気に速くなる。
そして、かすかに聞こえた。
彼女の声。
「出して……! 出してぇっ!!」
男は彼女を強く抱き締め、思いっきり深く、強く突き上げた。
そのまま動きが止まる。
彼女は完全にメスの顔をしていた。
男の腰に両手を回し、必死にしがみつき、股を限界まで広げて、ビクンビクンと痙攣しながら、彼の射精を子宮の奥まで受け止めている。
俺は、そんな二人の交尾を覗きながら、彼女のついこの間まで性器を包んでいたパンティで、激しくオナニーをしていた。
みじめだった。
屈辱的だった。
でもそれ以上に、ペニスは異常なほど硬く、熱かった。
俺とのセックスのときも、彼女は「妊娠しにくい体質だから」と言いながら、危険日以外はほとんど中出しを許していた。
今回もきっと、同じだ。
あの男の濃い精液が、彼女の膣内にたっぷりと注がれ、子宮の奥まで犯しているんだろう。
俺は窓枠を強く握り、パンティの一番汚れていた部分に、思いっきり射精した。
足がガクガク震え、いつもより明らかに大量の精液が、パンティの脇から溢れ、コンクリートの床にポタポタと滴り落ちた。
あまりの快感に、しばらくその場に立ち尽くすのが精一杯だった。
そのままの姿勢で覗き続けていると、二人は軽くキスを交わし、男はまだ結合したまま、ベッドサイドのティッシュボックスに手を伸ばした。
数枚ティッシュを取り、結合部にそっと当てがう。
(やっぱり……中出ししたんだ)
その瞬間、今出したばかりだというのに、俺のペニスはまたしても痛いほどに勃起し始めた。
彼女はゆっくりと体を起こした。
こちら側、つまり窓の方に向かって両足を大きく開き、まだ熱く濁った精液がシーツに滴り落ちないよう、慌ててティッシュを股間に押し当てていた。
白いティッシュが、彼女の秘部に密着する。
その瞬間、男はベッドサイドのティッシュボックスから新しく何枚か取り出し、彼女の股間に手を伸ばした。
優しく、でも確実に、彼女の膣口を拭いていく。
愛液と精液が混じり合ってべっとりと汚れたそこを、まるで自分の所有物を丁寧に手入れするように処理している。
ついさっきまで俺のものだった女の体が、他の男に激しく抱かれ、中出しされ、その証拠を今も滴らせながら、別の男の手で拭われている。
その光景があまりにも鮮烈で、俺は二度目の射精を迎えた。
さっき出したばかりだというのに、ペニスは再び脈打って、彼女のパンティに熱いものを吐き出した。
足が震えて、立っているのがやっとだった。
二人は軽く唇を重ね、男はまだ彼女の中に埋まったまま、ティッシュを数枚取り出して結合部に当てがった。
(やっぱり……中出しだ)
その確信が、俺の胸を締め付ける。
でも同時に、下半身がまた熱くなった。
今出したばかりなのに、ペニスはすぐに硬さを取り戻していた。
男はティッシュを押し当てながら、ゆっくりとペニスを抜いた。
彼女の膣口から、白く濁った液体がトロリと溢れ出すのが見えた。
彼女は起き上がると、こちらに向かって再び足を開き、溢れ出る精液をティッシュで必死に抑えている。
男はその間に新しいティッシュを何枚も取り、丁寧に彼女の性器を拭き始めた。
彼女の陰唇はまだ充血して開き、襞が卑猥に広がっている。
クリトリスまで、はっきりと見えそうだった。
俺の位置からは、二人の性器が丸見えだった。
射精したばかりの男のペニスは、まだ完全には萎えていない。
太く、血管が浮き出て、彼女の愛液でテカテカと光っている。
彼女は優しくそのペニスに手を伸ばし、ゆっくりと撫でながら、男に何か囁くように話しかけていた。
そしておもむろに体勢を変え、男の足の間にうずくまるように顔を近づけた。
男の太ももで見えにくかったが、彼女の頭がゆっくりと上下している。
明らかに、口で奉仕している。
フェラチオだ。
男は手を伸ばして彼女の胸を揉み始めた。
柔らかく、でも力強く、乳首を指で摘まんでいるのが見えた。
(また……セックスするんだ)
屈辱や敗北感よりも、俺の心を支配していたのは、もっと彼らの生々しい交尾を見たいという、獣じみた欲求だった。
彼女はきっと、元彼の俺にこんな恥ずかしい姿を見られているなんて、夢にも思っていないだろう。
男のペニスはすぐに復活した。
彼は彼女を起こし後ろを向かせると、自分のペニスに唾を垂らし彼女の濡れた性器にあてがった。
そしてゆっくり、深く、挿入していく。
彼女は枕に顔をうずめ、お尻を高く持ち上げ、男を受け入れていた。
俺の位置は斜め横。
彼女の小さな尻に、太いペニスが根元まで埋まっていく様子がすべて見えていた。
男は彼女の細い腰を両手で掴み、数回ゆっくりと奥を突く。
彼女の体がビクンと震える。
それから男は上体を倒し彼女の背中に覆いかぶさるようにして、肩の横に両手をつき一気に激しく腰を打ちつけ始めた。
彼女は小柄だ。
身長155センチくらい。
対する男は180センチを超えているだろう。
大男に少女が犯されているような、圧倒的な体格差。
獣のような後背位の交尾が、あまりにも生々しく俺の目に焼き付いた。
彼女の声がだんだん大きくなっていく。
窓に耳を当てなくても、はっきりと聞こえてくる。
「あーっ!! きもちいい……! あーー!!」
男の声は低く抑えられているが、彼女の声はもう我慢できていない。
「オマンコ……オマンコー!!」
「オチンチンきもちいい!!!」
そんな恥ずかしい言葉を男に言わされ、自分でも口走っている。
男は上体を起こし彼女の腰を強く掴んで、さらに激しくピストンを繰り返す。
さっきまで枕に突っ伏していた彼女もそれに合わせて四つん這いになり、セックスのときだけ見せる完全に堕ちた女の顔を晒していた。
俺は一瞬、テレビで見た犬の交尾を思い出した。
まさにそれだった。
理性を捨てた動物の交尾。
男はさらに腰の動きを加速させ彼女は大きな声で悦びを叫びながら彼を受け止め続けている。
もうすぐ二度目の射精が来るのが、はっきりわかった。
俺は産まれてこの方、こんなに興奮したことはなかった。
三度目のオナニーを始めていた。
そして男が思い切り彼女を突き上げ膣内に射精した瞬間、俺は彼女の中の感触を思い出しながらもうベトベトになってしまった彼女の下着にまた精液をぶちまけた。
男は腰を密着させたまま彼女の子宮に深く、思いっきり注ぎ込んでいる。
俺以外の男の精子が彼女の子宮の奥深くまで流れ込むのを想像して、俺は気が狂いそうだった。
別れる一ヶ月前くらいから、彼女の態度は急に変わっていた。
「仕事が忙しい」と言って、夜の帰りがどんどん遅くなる。
きっと、あの男に心変わりしていたんだ。
そして、もう何度もセックスをしていたんだろう。
俺は散々射精した後で、今更のように悲しみが込み上げてきた。
部屋の中を見ると彼女が立ち上がり、全裸のまま部屋から出ていくところだった。
シャワーを浴びにいくのだろう。
俺は音を立てないように、静かに窓から離れた。
俺の精液で汚れきった彼女のパンティを元の袋に戻し、震える足でコンビニの駐車場まで戻った。
頭の中ではさっきまでの激しいセックスをしている彼女と、ついこの間まで俺にベッタリだった彼女の姿が交互に浮かんでは消える。
俺はかなり落ち込んでいた。
あれから何日か経った。
今もまだ鬱状態から抜け出せない。
でも毎日、何回も彼女とあの男の交尾を思い出し、オナニーしてしまう。
射精するとまた落ち込む。
その繰り返しだ。
このままでは、きっとまた彼女のアパートに覗きに行ってしまうだろう。


コメント